飼い主急逝による多頭飼育崩壊 
2022/08/16 Tue. 10:27 [edit]
6月下旬のある日、これから介護認定を受ける予定の方の家に、成猫4匹と仔猫6匹がいるので対応をお願いしたい、という依頼がありました。
内容は成猫の不妊手術と仔猫の対応。
依頼者である公共的事業者の皆さんと一緒に解決する方向で意見が一致していました。
ところが7月上旬に突然、飼い主死亡の連絡が。
急いで向かうと、夜でしたが1ヶ所網戸になった部分から、飢えて殺気立った仔猫が薄明かりの中何匹も見えました。
その後、子猫達は全て無事に捕獲・保護できましたが、最初に聞いていた6匹ではなく、外に出ていた個体も入れると最終的には14匹の子猫が生まれていました。
依頼者と市とで相談し、取り急ぎ残り4匹の成猫捕獲と不妊手術を、補助金を使用して行うことに。
事前に頂いた情報では、成猫が4匹いて、うち1匹は飼い猫だがあとは野良猫で庭で餌を与えていたとの事。
しかし結果的に、成猫は飼い猫1匹を含む8匹が居着いていました。
また、飼い主の代理人から、生まれてしまった仔猫は全頭飼育を放棄したい旨を伝えられました。
今まで、不妊手術をしないで増えてしまった猫は、増減しながらいつの間にか散ったり亡くなったりしていたようで、昨年も一昨年も産まれては亡くなっていたのでしょう。
また、捕獲時にはオスだと思っていた1匹の猫のお腹が大きく、確認したら雌で、出産間近でした。
母体への負担を考慮して出産させる事を選択しましたが、結果は5匹早産で全て助かりませんでした。
まだ子猫の譲渡がありますので完了ではありませんが、この案件は8月10日、成猫8匹の捕獲・不妊化と、14匹の仔猫の保護で現場での対応は完了しました。
※成猫8匹の内、1匹は早産した母猫で、栄養状態回復のため現在保護中。1匹は不妊済み耳カット猫でした。
大抵の多頭案件の場合、事前情報は見える個体だけで見積もられがちで、実際はかなり上回った頭数である事が多いです。
この現場も例外ではありませんでした。
今回の様に、不妊化していない野良猫に餌を与えている人は、場所を限らずあちこちで見ます。
でももしあなたが何かの理由で明日から餌を与えられなくなったら?
餌をもらえなかった理由もあなたが来なかった理由も、猫には伝わりませんよね。
本当に猫の事を考えたら、餌を与え続ける事ではなく、餌を与えなくても良い方法、猫が餌を乞わなくても良い方法を考えるはずです。
もしあなたが未不妊の外猫に餌を与えているならば、せめて不妊手術だけでもしてあげてください。
目に触れず認識されずに死んでいく無数の命を知って下さい。
そしてどこのボランティアもキャパはいっぱいです。
これ以上保護しなければいけない猫を増やさないでください。
切にお願い致します。
文責 S
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