さやま猫の会

FIVのPCR検査  



(まずこの記事を書くにあたり、私は獣医師ではないので獣医学としての保証はできないので予めご了承ください。
今回のPCR検査を受けるにあたり、数名の先生とお話しさせていただきました。細かいところでは若干の見解の差異があるように感じられましたが、今回は私自身の考え方と捉え方を中心に話を進めさせていただきます。)


猫の感染症として一般的に検査をする項目としてFIV(猫免疫不全ウイルス感染症、猫後天性免疫不全症候群)とFeLV(猫白血病ウイルス感染症)があります。

FIVは何ぞや?というところは省略し、何故PCR検査を受けたか?について進めます。


猫の保護時にFIV・FeLV検査するとき、通常は院内検査キットで行います。
このキットではFIVは抗体検査でFeLVは抗原検査となります。
大雑把に言うと抗原はウイルス・細菌で、抗体はその抗原から守るもの・攻撃をするものです。

ウイルスは細菌と異なり単体では増殖できないので、体内に入り込むと細胞に寄生して増殖をしていきます。
一方ウイルスが異物(敵)だと認識した身体は、その身を守るために抗体(盾と槍)を作り始めます。

面倒な事1
抗体はそのウイルスが持つ抗原の形に合わせて作られ、同じ感染症名でも型が違うと守れないということになります。

面倒な事2
一度体内に入り込んだ猫エイズウイルスは排除できないとされています。



体内に入り込んだウイルスをブロックする抗体が出来るのは入り込んだ時点なのか、遺伝子に書き込まれる時点なのかは私にはわかりません。勉強不足ですみません。

ウイルスが体内に入り込みどの時点でか抗体ができるのですが、出来上がるまでに時間を要します。この期間を『2ヶ月で再検査』としています。

1度目の検査キットで「陽性」で2か月後再検査で「陽性」であれば持続感染として成立になります。

そして院内検査キットの抗体検査感度は95%で、PCR検査感度は80%なので、キットが信頼性があるということらしい。

えーっと、ここまでくるとわかったようなわからないような。

では、PCR検査は何のためにするの?ではなく「あるの?」と考えてしまう浅い考えをしてしまうのです。

一つの答えとしては確定をすることらしい。全て陽性なら陽性。そりゃそうだ。

ただマリンちゃんはPCR陰性なのだ。

猫エイズは病名が示すように「後天性」であり、基本的には胎盤感染はしないという。
ではどこで感染するのかといえば、産道感染は否定出来ないとされながら、キャリア猫から出産された仔猫へのグルーミングで仔猫が何らかの傷を負っていた場合や、一般的にいわれる喧嘩と交尾。

マリンちゃんの場合、喧嘩や交尾で感染したとして、身体に定着する前に抗体が出来て、何らかの理由でウイルスを排除出来ていたら?
面倒な事2について体内に入り込んだ定義が曖昧で、細胞に寄生する前にウイルスが死滅したと考えれば、抗体があってもウイルスはいないと考えられないのか?そして徐々に抗体価が下がるので、検査キットの色が薄かったのではないか?

そんな事を想定しながらPCR検査を受けてみました。
そして結果は「陰性」

ただこの結果を鵜呑みに出来るのかと、何でも疑ってしまうSは思うのです。
単純に陰性バンザーイにはならないのです。
定性・定量の培養や試験の方法差異はどうなのかも気になるし、全ての株が検査出来ているのか(面倒な事1)どの位の期間で抗体価が消滅するのかや、あの隔離された空間で陽性が1匹なのはどうなのか?考えればキリが無くなり、今日も眠れないのです。

とはいえ全てを受け入れる決意をされた里親様に出来る事はここまでで、基本的にはキャリア猫とノンキャリア猫との里親様先での同居譲渡はお断りをしてきましたが、先住猫も同じ多頭飼育崩壊案件現場の猫である事を踏まえてトライアルを開始し、相性も問題がないので正式譲渡に至りました。

里親様は、マリンちゃんを迎えるタイミングで賃貸マンションから一軒家を購入し、相性が悪かった場合も想定しながら迎え入れてくれました。

今マリンちゃんはカミュウと改名され、先に卒業したクロ丸サビ丸と幸せな生活をしています。
Twitterはこちらから
サビ○クロ○カミュウ (@sabikuromaru)さんをチェックしよう

全ての事に0か100かなんてない。

まだわからないことなんて山ほどある。

そんな中で進む道は、それぞれの決意なんだと思うのです。

文責 S

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