虹子ちゃん 
2019/12/29 Sun. 00:38 [edit]
今月中旬に新顔のメス猫を発見した。
どこからか流れてきたのか遺棄されたのか?
発見した時、少し歩く様子がおかしかった。
近隣でこの猫の情報はないので不妊の為に捕獲をした。
全く人馴れしていない様子でもないのに、保護直後からそれほど食べない事に微かな違和感はあったが、他には特に異常はなく、
通常通り手術を行い、通常通りリリースする予定であった。
通常でないとわかったのは、手術が始まった時だった。
先生はまず毛刈り時に異変を見つけた。
次いで開腹時に確認されたものは「腸管腫瘍」。
ビリヤードボール程度の大きさがあり、その場で腫瘍摘出術をするかどうか、確認の電話がかかってきた。
摘出術をしない場合、腸閉塞を起こすなどして短期間のうちに命を落とす確率は高い。
摘出術をした場合、今回のケースは延命の確率は半々位。
また再発の可能性もある。
病理組織の外部検査も出さなければならない。
費用は数万円単位でかかると告げられたが、お願いする方向でお答えした。
24日に退院させるかを病理検査結果と入院経過で判断する予定だったが、嘔吐が激しくそのまま継続入院となった。
検査結果は「猫好酸球性硬化性繊維増殖症」。

事前に告げられていた通り、術後経過は思わしくなかった。
年内には退院出来るかな。
ケアスペースを確保しておかないと。
強制給餌が必要かも。補液は必要だな。
などと色々考えながら準備していたが、27日、彼女はあっけなく亡くなってしまった。
まだ名前もつけてなかったのにな。
入院中は大人しく、人を怖がらず良い子だったと聞いている。
多分飼い猫だったのだろう。腫瘍がみつかり棄てられた可能性もないとは言えない。
今までも老いた猫や病を持つ状態で棄てられたであろう猫を多く見てきた。
切ないよな。
27日は雨が降ったり止んだりの不思議な天気で、綺麗な虹も出た。
「虹子ちゃん」
次は大切に可愛がってくれる人の元へ生まれて来て欲しい。
最後まで頑張った君の事を、みんな決して忘れないから。

動物遺棄は犯罪です。
そして、動物を飼うなら最後のその時まで。
命に対する最低限の責任です。
さやま猫の会は、毎週日曜日の譲渡会で猫に関する相談も受け付けています。
場所 埼玉県狭山市智光山公園内前山の池前
日時 毎週日曜日12時から14時
文・S
。
category: 活動日誌
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今年の多頭飼育案件 
2019/12/24 Tue. 08:31 [edit]
一度は聞いた事があるだろう。
「多頭飼育崩壊」
崩壊とまではいかなくても、多数の猫を家の中だけでなく、中外自由にさせたり、不妊をせずに産まれては亡くなるを繰り返している現場はたくさんある。
今年もいくつかの多頭案件に携わった。
案件1
2年前に初めて訪問した時には家の中に20匹ほどいたと思われる。
なかなか住人に会えず、数回の訪問でやっとお会いすることができ、まずは2匹のメスを手術した。
経済的な理由を述べられたので、話し合い、小分けにして少数ずつ定期的に実施する予定になった。
1回目実施後、またしてもこの家の住人とコンタクトが取れない。
コンタクトを取る事がこの現場では一番苦労した。
しかしこの夏、経緯詳細は書けないが話がスムーズに進み、数回に分けて手術が実施出来、無事全頭不妊化が終了した。
案件2
4年前に訪れた会員が住人から威圧的行為を受け、やむを得ず不妊化を断念した。
当時およそ家の中外で20匹オーバーはいただろう。
その後もその地区担当の会員Suはずっと気にかけていた。
ところが思いがけず、別の案件で住人から連絡が来た。
会員Sがご自宅に伺い時間をかけて説得して、その後全頭の不妊化を実施できた。
今年の春の子は多数が命を落としたらしい。
それでも、同じ春の子と思われる生き残りも数匹いた。
せっかく生き延びたのたから、命を全うして欲しいと思う。
案件3
隣市からの依頼。
自社の倉庫に、隣の住宅から母猫が仔猫を連れてきてしまった、どうしたら返せるかという依頼だった。
返すだけなら簡単と隣家を伺うと、中外の成猫・仔猫が合わせて40匹オーバー。
事情を詳しく聞いてみると、やろうと思っていても追い付かないとの事。
じっくり話し合いをしたところ全頭不妊化を約束してくれた。
最初に相談を受けた方にその旨ご報告したのだが、10年も前から猫は流れてきていたとのお話。
数年前から様々な所に相談するも、依頼者の責任で対応するべきことだと断り続けられたそうである。
流れてきた子猫をご自宅に迎え入れてくださってもいた。
動物好きな優しい方であったからトラブルにならなかったが、本来なら増やした隣の住人は責任を問われてもおかしくない状況であった。
この会社の方には本当に頭が下がる。
この現場は夏から取りかかり、今月までに成猫は全頭不妊化を完了できた。
仔猫は手放さないということだったので、手術可能な時期になったら速やかに不妊化をするという約束で一旦終了になった。
案件4
この現場は、手術費用の未払いで継続を断念した経緯がある。
先日再度訪問をし、未払い分のお話と不妊化再開のお約束ができた。
この現場は多くの案件の中で、最大数の猫がいるが、餌は十分に与えられているようである。
最後までやり遂げられるよう引き続き継続、努力したいと思う。
案件5
昨年末、某地区のサポーターの近所に、猫に餌だけ与えて増えているという情報があり、調査と調整をした。
取りかかったのは1月中旬。15匹を終えたところで、その近所に別の11匹現場を発見、不妊化を実施した。
当会では数年前からTNRしたい現場は2月までに終わらせ、3月4月は極力TNRをしないように心掛けている。
理由は堕胎による母体への健康の配慮と、お腹の中で成長してしまった命を落としたくないから。とはいっても、この11匹現場に取りかかったのは3月で多くの命をやむ無く堕胎する事になった。
堕胎はボランティアも手術を施す獣医師や看護師も、強い精神ダメージを受ける。
悲しい事を避けるためにも、早めの対応を住人の皆様にお願いしたい。
案件6
案件5と同時進行で行った現場。
家の回りに19匹と隣接する牛小屋付近に6匹がいた。
この現場でも堕胎せざるを得ない母体がいた。
住人が全てに責任を取れない状況で、母猫を全頭保護する事もできない。
生まれてくる何十匹もの乳飲み子を一度に保護し、お世話する事も不可能だ。
私達に出来る事は「産ませないためのお手伝い」しか出来ない。
今でも思い出す度に胸をえぐられる。
生まれてこれなかった無数の命を、私達はずっと忘れる事はない。
多頭飼育案件の場合、大きな壁の一つは「経済的理由」と「認識の甘さ」。
猫の繁殖力は高く、一度に数匹産まれる。
1匹の手術を怠っただけで、翌年には数倍の費用がかかることを想像してほしい。
手術の費用だけでなく、餌代だって、衛生費用だって増えるのだ。
当会では毎年約300匹程度の不妊を実施しているが、費用に関しては基本的に現場の依頼者負担を方針としている。
狭山市にも助成金制度があるのでそれを利用したり、動物基金さんの無料チケットを利用したり、団体が補助するなど方法は様々あると思うが、依頼者や近隣住民に当事者意識を持って頂きながら丁寧に啓発することで、猫問題の理解度と責任感は確実なものになる。
実施後の協力体制も強固になって、継続的に現場の管理が可能になる。
それを経験として実感している。
手間のかかる事だが、それは各所にボランティアが生まれる事と同義になり、未来を考えた時、一番明るい方法だと考えている。
狭山市はまだまだ完全室内飼いとまでは至っていない。
現段階ではその認識はまだまだ薄い。
せめて不妊化は全頭お願いしたい。
産まれては亡くなっていくという悲劇の前に「産ませない努力」をこれからも啓発、実施していきます。
案件の内の何件かは、市役所環境課の方々にも多大なご協力をいただいた。
この場をお借りして感謝申し上げたい。
文・S
category: 活動日誌
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カレンダーの販売会in狭山市役所のお知らせ 
2019/12/05 Thu. 20:29 [edit]
今年も残すところあとひと月になりました。
年越しのご用意は進んでますか?
えっ?来年のカレンダーがまだ用意できてない?
ならば是非「さやまねこカレンダー」はいかがでしょう?

カレンダーのモデルはみんな幸せを掴んだ子達ばかり。
ハッピーな気持ちになれると評判です。
カレンダー販売は、通常は譲渡会場、郵送にも対応しております。
そして、今年も市役所での販売会を開催します!
【日時】
令和1年12月10日(火) 12時から13時
令和2年1月14日(火) 12時から13時
【場所】
狭山市役所地下一階・売店前
譲渡会場だとちょっと遠いなぁ…
でも市役所なら狭山市駅(西武新宿線)から近いから行ける!いう方、是非お待ちしております!
昨年は有難いことに、市職員の皆様をはじめ、沢山の方に市内のみならず遠方からもわざわざお越し頂きました。
スタッフ一同お待ちしております!
是非足をお運び下さいね(^^)
category: 会からのお知らせ
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